睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状と検査
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり浅くなったりする疾患です。これにより、体内の酸素濃度が低下し、日中の眠気、集中力の低下、高血圧や心疾患のリスク増加など、健康にさまざまな影響を及ぼします。
SASの代表的なサインとして、「いびき」があります。特に大きないびきが断続的に続いたり、いびきが止まった直後に大きく息を吸い込むような呼吸パターンは、SASの可能性を示唆します。
主な症状とその背景
以下のような症状がある方はご注意ください

睡眠時無呼吸症候群の症状は、夜間のいびきや呼吸停止だけでなく、日中の強い眠気や集中力の低下など、生活の質を大きく損なう原因となります。以下のような症状が見られる方は、早期検査をおすすめします。
- 毎晩のようにいびきをかく
- 睡眠中に呼吸が止まると指摘されたことがある
- 明け方に頭痛がある、口が乾いている
- 日中に強い眠気を感じる
- 起床時の疲労感や熟睡感のなさ
原因はタイプによって異なります。以下の3つが代表的です。
- 閉塞型(OSA):最も一般的なタイプで、上気道の物理的な閉塞によって発症します。肥満、扁桃肥大、小顎症、加齢に伴う筋力低下などがリスク因子です。
- 中枢型(CSA):脳から呼吸に関する指令が適切に送られなくなることで生じます。心不全や脳血管障害との関連が指摘されており、高齢者に多く見られます。
- 混合型:閉塞型と中枢型の両方の要素を併せ持つタイプです。通常は、中枢型から始まり、その後閉塞型の無呼吸が続くというパターンが多く見られます。
睡眠時無呼吸症候群の検査と治療
検査の流れ

- 医師による診察・問診
- ご自宅での睡眠検査(キットを郵送)
- 約2週間後に結果説明と診断
- 最適な治療法のご提案(CPAP・マウスピース等)
- 月1回のフォローアップで安心サポート
- ✅ 検査は1晩・ご自宅で完結
- ✅ 通院は最小限でOK
- ✅ 生活習慣改善の栄養指導にも対応
【検査の費用】
検査名 | 自己負担額(3割負担) |
---|---|
簡易PSG検査 | 2,700円 |
フルPSG検査 | 11,250円 |
※別途、診察料がかかります
治療について
- CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法):
- 減量:
肥満傾向のある方は、上気道が閉塞しやすくなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが高まります。適正な体重を維持することで、症状の緩和が期待できます。そのため、必要に応じてCPAP療法などの他の治療法と併用しながら、 管理栄養士による栄養指導のもとで体重コントロールを進めていくことが推奨されます。よくある質問
睡眠時無呼吸症候群を放置しているとどうなりますか?
睡眠中に呼吸がたびたび止まることで、体は酸欠状態に陥り、少ない酸素を全身に送り届けようと心臓や血管に過剰な負担がかかるようになります。このような状態が慢性的に続くことで、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、さまざまな生活習慣病を引き起こす原因となります。実際、健康な方と比較すると、脳卒中の発症リスクは約3.5倍、心不全は約4.3倍、不整脈は約3.3倍に上昇すると報告されています。さらに、1時間あたりの無呼吸回数が20回以上となる「中等症」から「重症」に分類される場合、7〜8年後にはおよそ20〜30%の方が脳梗塞や心筋梗塞などの重大な心血管イベントを発症するとの報告もあります。こうしたリスクを未然に防ぐためには、早期の診断と適切な治療の開始が極めて重要です。
睡眠検査や治療には保険が使えますか?
はい、当院で実施している睡眠検査やCPAP療法は、健康保険が適用されます。
睡眠検査の費用はいくらですか?
簡易PSG検査は3割負担:2700円、Full PSG検査は3割:11250円となります。別途、診察料がかかりますのでご了承ください。
睡眠検査は入院しないといけませんか?
当院で実施している睡眠検査は、入院の必要はありません。ご自宅で行っていただけるPSG検査を導入しており、就寝前に小型の測定機器を装着していただくだけで、睡眠中の呼吸状態を記録することができます。この検査で使用する機器は、入院による精密検査(終夜ポリソムノグラフィー)と比較しても、測定項目や精度に大きな差はなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断において十分な信頼性を備えています。
CPAP療法に使用する機器は毎日使わないといけませんか?
はい、効果を十分に得るためには毎晩継続して使用することが大切です。途中で使用をやめると、無呼吸の状態が再び起こり、症状が悪化する可能性があります。
CPAP療法に使用する機器は外出時や旅行先でも使用できますか?
はい、CPAP機器は持ち運びが可能で、旅行先や出張先でも使用できます。
一度始めたら一生続けなければいけませんか?
すべての方が一生続けなければならないわけではありません。体重の減少や生活習慣の改善により、無呼吸の症状が軽くなり、CPAPが不要になるケースもあります。定期的な診察・検査を通じて、継続の必要性を判断します
アクセス情報
アクセスマップ
アクセス方法
中山クリニック
〒674-0071 明石市魚住町金ヶ崎370
国道2号線沿いの三菱マテリアルコベルコツール西隣- 専用駐車場
- 50台(第2・第3駐車場もあります)
- 最寄駅
- JR 神戸線・大久保駅より徒歩15分
神姫バス・金ヶ崎、金ヶ崎東口より徒歩3分

就寝時に鼻に装着したマスクから一定の空気圧を送り続けることで、喉や気道が塞がるのを防ぎ、呼吸を安定させます。これにより、睡眠中も十分な酸素を体内に取り込めるようになり、いびきや日中の眠気などの症状改善が期待されます。治療を継続することで、睡眠の質が向上し、日中の眠気が軽減されるほか、心筋梗塞や脳卒中のリスクを低減する効果も臨床的に示されています。